現在、科学的に判明しているものは、
・鍼による接触や体内に侵入した時の刺激。
・お灸による温熱刺激やよもぎ(もぐさ)のエキス
が体に影響を与え、刺激に対して体が本来の状態へ戻る動きを引き出すものです。
他にも、手足への鍼刺激が脳内の神経伝達物質を増加させることも確認されています。
このように、鍼灸治療は鍼やお灸で、患者さん自身が治療する力を引き出すものです。
ですから、治療のためには修復する材料として、「栄養」が必要になります。
栄養を吸収するためには、消化器系が元気でないといけませんので、反応点治療では腹部も必ず診察いたします。
・西洋医学と東洋医学の歴史
日本では江戸末期まで医術といえば東洋医学でした。
鍼灸は聖徳太子の時代(日本書紀までさかのぼるとも…)に中国から伝わり、特に遣唐使で大陸に留学した空海が日本各地に広め、その後日本独自の進歩をしました。しかし、明治維新後の富国強兵政策で、武器とともに戦場で必要な西洋医学が国策として普及させられます。
その際、かなりの圧力がありましたが、先人たちの努力により現在まで伝えられています。
このように、鍼灸治療は1500年以上前から途切れずに続いております。
西洋では、ルネッサンス時代まで「病は神からの贈り物」であり、その原因を探ることは「神への冒涜」=死刑でした。
その後、ヨーロッパ大陸の戦争で傷ついた兵の治療のため、外科治療や感染症を中心に急激に進歩しました。そのため、 西洋医学は傷の修復や殺菌に対して優れた対応が取れます。
ヨーロッパが戦争をしていたころ、鎖国の日本にも蘭方医学として情報は伝わっていましたが、世界に類を見ない長期間平和が続いた徳川時代には、外傷の治療よりストレスや生活習慣病の治療が必用だったからです。
このような背景がありますので、西洋医学・東洋医学ともに得意分野があります。
我々鍼灸師は、西洋医学の分野も勉強しており、病院での治療が最適と判断した場合は病院での治療を勧めます。
この辺りは、無資格の「もみほぐし」や「整体・カイロ」の施術者とは異なるところです。
また、当院では「治療」だけでなく、「お休み」「リラックス」を求めて来られる方もいらっしゃいます。
ベットに横になり、鍼を打ち始めたら、すぐに寝息が聞こえてきたりします。
普段、睡眠導入剤を使用されている患者さんが、です。
ストレス解消も鍼灸院の利用方法の一つだと思いますので、吸い玉やカッサ、お灸によるリラックスから始めてみてはいかがでしょうか。
最近よく聞かれるヘッドマッサージも、鍼灸院では昔から行っております。